中身はいまだ高校生…
なのに、あたしはこいつと何故か付き合ってる。
大学を卒業する時、当時付き合ってた人に振られて、この会社に入った。
何かをしてないと、涙がこみ上げてきて…
仕事にうちこんだ。
新人歓迎会も、普段の飲み会も、できるだけ抜けてきた。
もう恋はしないって決めたから…
そんなあたしに、駿は…
持ち前の人なつっこさで、明るく話しかけてくる。
あたしがどれだけ冷たく接しても…
昼休みや、仕事終わりの定時がすぎれば「せーんぱいっ」って必ずやってくる。
ある日、あたしが一人、残業をしていると、いきなりイスの向きを変えられた。
「えっっ」
あたしの前にあったパソコンはもう無くて、目の前には真剣な顔をした駿がいたんだ。
いつもケラケラ笑ってる駿が真顔で…
「先輩…俺と付き合ってくれませんか…」
って言ったんだ。
あたしは信じられなくて…呆然としたままだった。
いつも自分の事は『僕』って言うのに、その時は『俺』で…
敬語なのかタメなのかわからない口調も、ちゃんとした敬語で…
駿の変わりようについて行けなかった。

