この騒ぎに栗須が気付かないはずがない、やっぱり栗須も学園の部屋から覗いていた。


「もう俺にはどうする事もないのかなぁ…」


神崎龍は栗須に気が付いたので香の腰に手を回してニヤニヤしていた。それを見ていた栗須は…


栗須の心の声 【あのガキ!ワザとだな(怒)】

「渡さないよ」

「誰に言ってるの?」


香は神崎龍が見ている方を見た…


「栗須先生だ♪」


香は神崎龍から離れたけど…また神崎龍に捕まった。


「嫌!離して」

「ダ〜メ」


香はずーっと栗須を見ていた神崎龍に抱きしめられながら…


「ツライ」

「何が?」

「わかってるでしょ!」

「さぁ〜な」


神崎龍は口笛を吹きながら誤魔化していた。二人で教室に入ったらもっと大騒ぎになって…すると、そこへ栗須も息を切らして教室に入ってきた…


「皆さん席について!授業が始まります」


栗須はいつもの優しい言い方ではなく怒っているような言い方だった…


そして授業中は香は栗須を見つめて、栗須も香を見つめて、それを神崎龍が見ていた。


神崎龍の心の声【何だ!この二人は(怒)】


授業が終わり放課後になった。神崎龍は香を栗須に近付けないようにベッタリ引っ付いていた…車で香を家まで送った神崎龍は…


「俺から逃げる事を考えるなよ!」


そう言って車に乗り込んで帰って行った…


「もう嫌だよ〜」


香が家に入ると何やらバタバタしていた…