ウォールフラワー

「なっ…に…するっ…」

息が切れて上手くしゃべれない。

呼吸を整えていると先生が口を開いた。

「今日の放課後 英語教材室」

「……え…?」

「待ってる」


そう言うとスタスタと保健室から出て行った。

残された私はその場に座りこんだ。


いったい…なんなんだろう……。

放課後って…また呼び出し?

もしかして昨日みたいなことされる!?




「行くなよ」


そう後ろから声がして大きな腕が私を抱きしめた。

「え…隼人?」

起きてたの!?

「あいつのところなんか行くなよ…っ」

「ど…どうしたの?隼人離して…?」


隼人…なんか変だよ。

ていうか離してっ…!


そう思う私とは裏腹に隼人は抱き締める力をぎゅっと強めた。


「………好きだ……」


え…?

「好きだ…麗奈のことが…どうしようもないくらい好きなんだ………平岡なんかに渡してたまるかよ!」