さっき私…先生とキスしそうになったよね…。


……絶対私のことからかってるよ。

どういうつもりなのか知らないけれどちょっとやりすぎだよ…!

ていうか教育実習生のくせになんなのよ。

悪魔だ悪魔!!

平岡陸人は悪魔だぁ!!

いたいけな(?)女子高校生の唇を奪おうとする変態よ!


ちょっと顔が良いからって…

変態悪魔王子め…。



「さっきから悪魔とかなんかぶつぶつ言ってるけど…大丈夫?」

「…え?」

まさかまた私 声に出してた…?

カァーッと顔が熱くなる。

恥ずかしい…!

今 隼人と2人で帰ってることすっかり忘れてた!!


「だっ…大丈夫ですっ。なんともないですっ」

あわてて否定すると隼人はクスッと笑った。

「クスクス…そんなに頑張って否定しなくても…。しかもなんで敬語?タメ口でいいよって言ったのに。おもしろいね~」


笑われた…。

もう恥ずかしすぎるよ…。


隼人はまだ笑っている。

…あ。

隼人って笑うと可愛い…。

目がきゅっと細くなってタレ目になる。

普通のときはクール系なのに。


「ぷっ」

私は思わずそのギャップに軽くふきだしてしまった。

やばっ…。


さっきまで笑っていた隼人の顔がきょとんとなる。

そして不思議そうにこっちをみつめている。


「ぷふふっ」

その顔さえ可愛く見えて私はまたふきだしてしまった。

突然笑い出した私に隼人は「大丈夫か?」的な視線を送ってくる。