パシャッ

「ぷっ…はは」

…え?

ゆっくり目を開けると目の前には必死で笑いをこらえている平岡先生。

手にはケータイを持っている。


「ちょっこれ…マジ傑作!ぷ!」

そう言って私にケータイの画面を見せた。

その画面には思い切り目をつむりぶさいくな顔をした私がいた。


ありえない!

「え!ちょっ!消して!消してください!!」

必死にケータイに手を伸ばすが届かない。

先生の身長はきっと180センチ近くある…。

私の身長は160ちょっとだから到底届かない。


この猫かぶりドSめ!!

みんなの前では王子気取ってるくせになんで私の前だとSになるの!?



「消してほしい?」

そう言ってにやりと微笑む。


当たり前でしょ!!

黙って私は頷いた。


「…じゃあキスしてよ」

…………はい?

「今…なんて?」

「だからキス。…して?そしたら消してあげる」


……いやいやいやいや!

無理でしょ。

てかいやだ。

「いやです。むりです」

「ふーん。じゃこの画像拡大コピーして学校の掲示板に…」

「やだやだやだやだ!!やめてください!!」

「でもキスしてくれないんだろ?じゃあやっぱり拡大…」

「しますします!!なんでもします!!」


…あ。

今…私……。

目の前には怪しく笑う悪魔…

もとい平岡先生。


私やっちゃったー!!