あつしは友人4名とスキーに行くことになった。
このことを唯に伝えたところ、スケジュールを調整し一緒に行けることになった。
唯の事務所は「仕事は一生懸命、休みも一生懸命」をモットーに仕事をつめこむことはしない方針でやっている。
通常も週に1日は必ず休みがある。
唯がマネージャーの大倉にスキーの件を話したところ、スケジュールを調整してくれたのである。

スキーに行く当日。
友人の持つ2台の車で行くため、唯とあつし は待ち合わせ場所にした近所のコンビニに歩いていく。

「よう」
「よう」

既にコンビニについていた友人が手を挙げて挨拶し、あつしが応える。
友人は男3人、女1人。
「ゆいちゃん、こんにちわ」
「こんにちわ」

唯も挨拶をかわす。
友人達は唯に対して芸能人ということを気にすることなく普通に接してくれる。

「それじゃあ、行きますか」
2台の車に それぞれ男2人、女1人の3人ずつ乗り、出発である。
唯とあつし は別の車になった。

しばらく走っていると、大学生の友人ということもあり、段々コンパの乗りになってくる。
2台の車は携帯電話で連絡を取りながら走っており、その携帯を使って女の子に対して質問タイムが始まった。

「由美ちゃん、今日の下着の色は?」
大介があつしと同じ車に乗っている由美に聞いた。
「え~、なんでいきなりその質問なの。いいじゃん別にそんなの知らなくても」
由美は恥ずかしそうに質問をはぐらかそうとする。

「じゃあ、唯ちゃんは今日何色?」
あつしと同じ車に乗っている雄二が唯に聞く。
「あっちゃんが、知ってますよ」
雄二は驚きながらあつし の顔を見る。
「唯、そういうのは本人が答える方がいいんだから」
「そうなの。じゃあ、今日は...なんだっけ」
唯は服の中を覗き込む。
「わかった。今日はグレーでした。」

「なんで、あつしが唯ちゃんの下着を知っているんだ」
「今朝見たから」
昨日の夜、唯はあつしのアパートに来て、泊まった。
唯は あつしがテレビを見ながら朝食を食べている前で ねまき から服に着替えたため、下着の色も知っているのである。