グウ。

唯が居なくなってから3日目。
うとうとしていた あつしは 腹の虫が鳴る音で目を覚ました。
あつしは フラフラと立ち上がるとアパートの部屋を出て歩き始める。

どの位、歩いただろうか。

気がつくと いつも買うフライドチキン屋の前にいた。
あつしは おぼつかない足どりで店に入っていく。

「ボックス ひと...」
言いかけて、思い止まった。
唯はいないのだからボックスを買う必要はない。
「変更されますか?」
「あっ、ボックスひとつ」
しかし、店員の確認に対し、あつしはボックスを買った。

「川上あつしさん ですか?」
ボックスの入った袋をぶら下げ、店を出ようとしたあつしの前に1人の少女が立ち塞がる。
制服を着た髪の長い少女。
高校生位であろうか。