真里は綺羅を少しでも待たせて悪いと思っているのか、その訳を長々と話す。
そんな真里の話はもちろん綺羅の耳には入っていなかった。
綺羅の意識はすでにプレハブへと向けられていた。
「お前………、今でも感じたりするか? プレハブの中の霊の力」
「………え?」
遅れてきた訳を説明していた真里は綺羅に聞かれて初めて意識をプレハブへと向ける。
その途端、息を呑む真里。
「こ、これは………」
「お前にもわかるか? この異様な霊力」
「だって……、でも、嘘でしょう? 結界を張った時はこれほどの力は………」
真里の驚きに綺羅は「やはり」と納得した。
自分だけの思い過ごしではない。
真里も感じたということにより、綺羅はより一層の引き締めを自分で感じた。
「これは、このままほっていたら、ますますやばいことになりそうだな」
「でも、どうして? こんなに急に………」


