「一週間!」


「・・・・・え?」


ショートカットの女の子が人差し指をピンと立てると、言いきる。


言っている意味が分からず首を傾げる礼香。


「だから、二人が付き合ったのはたったの一週間だけ」


「そ、そうなんだ~…」


なんて返せばいいのか、礼香は曖昧に答える。


「そうそう。あんな美人な人さえもダメなんだよ~。難攻不落としか言いようがないよ」


どうやら、綺羅が付き合った人は相当の美人だということだけは礼香もわかった。


「それは………、いろいろと大変ね」


「そうなのよ!」


他人事のように応える礼香にも、全く気にせずに目の前の彼女たちは、水を得た魚のように口々に話しだした。


初めこそ、礼香が綺羅のことを好きだなんだと話していた彼女たちだが、今の彼女たちの頭にはすでにそのことは消えてしまっているだろう。







 そんな中、礼香は口々に話している彼女たちを余所に綺羅のことを見た。







 その表情は、みんなが言うように彼に恋をしているようでもあり、また、瞳に恋とは違う鋭い光も備えているようにも見えた。