身を乗り出して聞いてくるショートカットの女の子に礼香は顔を真っ赤にしながら、否定する。


「ち、違うよ! べ、別にそういうわけじゃ………。ただ、前の席の人だし………」


必死に否定している礼香だが、周りの女子はそんなことは聞いていない。


「あの海堂くんが傍にいるぐらいだもん。そりゃ、麻生くんクラスでないと、恋愛感情湧かないわよね~……」


「だから、そういうんじゃなくて! ただ、前の席だから、仲よくしたくて何度か話しかけたんだけど、あまり話してくれなくて、もしかして人とあまり話さない人なのかな~とか思って………」


モジモジとしながら、恥ずかしそうに言う礼香にそれを聞いていた周りの女子はなぜか守ってあげたくなってくる。


「宮城さん、あたしたち、応援するからね。宮城さんのこと!」


「・・・え? あ、だから、あたしはそういうんじゃなくて………」


礼香が否定するもののそんなことは彼女たちの耳には入らない。


勝手に彼女たちはこれからの作戦とばかりに話しだす。