「嘘……だろ?」


「いや。

それが誰なのかはわからない。

だが、ここ最近、

一陣風霊会への妖魔関連の依頼が増えているのは事実だ。

もしかしたら、

それが原因の一端なのではないかと上層部は考えている」


「妖魔を売買………。

そんなこと、可能なのか?」


「可能かどうかはしらない。

だが、事実だ」





 はっきりと言い切る真之。


 真之が嘘を言うような人間ではないのはわかっている。


 ただ、状況が話が信じられるものではなかった。


「じゃあ、今回のあの妖魔も内藤が買ったものなのか?」


「いや。内藤は売買に関してはシロだ。

なぜかはわからないが、あの妖魔が内藤の助けをしてくれていたらしいな。

不思議に思いながらも、受け入れていたらしい」


「そりゃ、自分たちの助けをしてくれるんだもんな…」





 普通なら疑問に思うところだろう。


 だけど、内藤たちはぎりぎりの線にいた。


 だからこそ、受け入れた。


 もし、手を貸した人物がそこまでのことを考えて行動していたのなら………。


 そいつはとんでもない奴だ。


「それにしても、誰が何の目的でそんなことを………?」