「それはね、おじさんが綺羅くんを知っているから」


「僕のことを知っている?」


「うん。

力を使う綺羅くんがどんな子なのかってことを。

綺羅くんはこの力を間違った使い方をしないと信じられるから。

怖くなんてないよ………」





 その言葉は、自信を失くしていた綺羅の心の深く響いた。


「だけどね、綺羅くん。

この力は誰にも見せないほうがいい」


「どうして? 

やっぱり、おじさんも僕のこと………」





 さっきは信じていると言ってくれた言葉は嘘だったのかと綺羅は道隆を見つめた。


 だけど、道隆はやんわりと「違うよ」と言いながら、首を横に振った。


「この力は綺羅くんだけが持つ、

特別な力だ。

それはとても強くて大きな。

だからこそ、その力を悪いことに利用しようとする悪い人が綺羅くんの前に現れるかもしれない」





 悪い人。


 その言葉に、幼い綺羅はただ、怯えた。


 自分のこの力のせいで。





 綺羅は道隆を見ると一生懸命に首を横に振った。