悔しげに唇を噛む内藤。
そんな内藤を一瞥しながらも、綺羅の視線は彼の後ろにある準備室へと向けられていた。
「もう、いい加減、出てきたらどうだ?
山口詠美………」
準備室に山口詠美がいるのはわかっていた。
だけど、内藤の後ろの扉には彼女の影さえも映ってはいない。
今、彼女がどんな風な表情で綺羅の言葉を聞いているのかは綺羅にはわからなかった。
「何を言っている。
さっきから、彼女の名前が出ているけど、
知らないって言ってるだろ?」
「知らないはずはないだろ。お前の幼なじみなんだからな」
真之が間髪いれずに内藤へときつく言い放つ。
「お前と山口詠美の関係はすでに調べがついている。
隠したところで無駄だ。
お前が能力者だということもな」
フッと内藤は笑う。
「最初から力を隠すつもりなんてなかったさ。
だからこそ、能力の最大限の力を使った。
僕が使える力のね。
まさか、ここの結界をくぐり抜けてくるとは思ってもみなかったよ」
「それは、お前がこれまでの事件を全て行っていたと認めるということか?」
綺羅は内藤をまっすぐに見据えた。
綺羅の言葉に、内藤は迷うことなく「ああ」と認めた。


