ドアを開けた瞬間、全員は目を見張る。
「吉備!」
全員が足を縫い付けられたように目の前の光景に固まっていた中、
雅俊だけが中にいる幼馴染の姿を見つけ、叫んだ。
「ようこそ。よく、ここまで来れたね。
あの結界はそれなりの出来だと思っていたんだけど………。
失敗だったかな?」
ここに綺羅たちが来たこと。
それは自分が犯人だと思われているはずなのに、
目の前で笑う内藤は余裕に満ちていた。
部屋の中の異様な空気に呆然としてしまっていた綺羅だが、
冷静さを取り戻すと辺りを見渡した。
「山口詠美はここにはいないのか?」
笑みを浮かべていた内藤の表情がピクリと一瞬だが動く。
だが、すぐにまた、笑みを浮かべた。
「どうして、彼女の名前が出てくるのかな?
僕が知っているわけないだろ?」
確かにそう言われてしまえばそうなのかもしれない。
だけど、あの一瞬見せた内藤の表情の崩れが、
彼女もこの事件に関わっていることを示していた。
綺羅はフ~…と息を長く吐いてから、まっすぐに内藤を見据えた。


