綺羅は声が聞こえてきた方を見る。
そこには、もしかしてと思っていた通り、初が飛んでいた。
あの声は初が………。
そして、その先にいる人物、それは―――――
「深青………」
綺羅が一つの答えに達している間にも、目の前で物体はもがき続けていた。
しかし、光はますます神々しさを増していく。
それと共に、黒い闇に覆われていた靄は取り払われ、物体は少しずつ霞がかっていっていた。
…というよりも、消えかかっていた。
綺羅はハッと意識を物体へと戻すと、和田あゆみの姿を探す。
これが深青がしたことなら、きっと取り込まれた和田あゆみは助かるはずだった。
目を凝らすと、何点もの光が物体から離れ、上空へと上がっていく。
それと同時に、綺羅の耳には微かに声が聞こえてきた。
『ありがとう………』
誰の声かはわからない。
だけど、もしかしたら、初めて遭遇した時に見たあの子たちだったのかもしれない。
よかったな………
綺羅は誰かもわからない少女たちに心の中で囁いた。


