誰が退治したかもわからない。
しかし、記憶の片隅に残っている残像を手がかりに、綺羅はつまりつまり言葉を紡ぎだした。
「……六星に定まる聖人(せいと)。………悪しき魂に結ばれし………、っ………」
ダメだ。
この先がどうにも思い出せない。
このままじゃ、助けられない………
絶望感に綺羅が襲われたその時―――――
『六星に定まる聖人。悪しき魂に捕らわれし、哀れな御霊。今、ここに全ての印を刻み込む。導かれし魂を聖なる元へ』
涼やかでありながら、凛とした声が上空から聞こえてくる。
それと共に、物体を覆い囲むのは六星の印。
「ギャアアアアア!」
印が光りだしたかと思うと、物体は急にもがき苦しみ出す。
こ、これは………!?
だけど、今の声。
それは、綺羅が思い出したくても思いさせない言葉を紡いでいた。
いつか聞いていた、今の同じ状況で退治された時に使われた言葉。


