綺羅は思わず、足を止めた。
「わ、和田……あゆ…み……?」
物体の体内の深くにまるでここにいることを示すように和田あゆみが映し出される。
彼女は必死に中からでようとしているのか中から叩いていた。
「これもこの霊の罠かもしれないぞ」
足を止めてしまった綺羅に真之が後ろからハッパをかける。
だけど、綺羅はどうしても攻撃を仕掛けることができなかった。
「チッ!」
自分に舌打ちをされたことぐらいわかっている。
だけど、自分の攻撃が彼女に当たってしまったら、そう思うとできなかった。
その間にも真之は物体へと札を投げつける。
そして、何かしらの呪文を呟いたかと思うと、札が燃えた。
「ギャアアアア!」
『きゃあぁああ!』
同時に聞こえてくる悲鳴と叫び。
「やめろ! 海堂! お前の攻撃が中にいる和田にまで」
綺羅の言葉は真之の耳にも入っているはずなのに、真之は一向に攻撃の手を止めない。
今の苦しんでいるこの状況が好機とでも思っているのか留めにかかろうとさえしていた。
「海堂!」
溜まらず叫ぶように真之の名を呼んだ綺羅。
そんな綺羅に真之は決定的な一言を叫んだ。


