校舎内に入って早々のトラップ。
だからこそ、その先にも何かがあると考えていた。
そのために用心に用心をして進んでいたのだが、トラップは全く仕掛けられていなかった。
どうやら、最初にあれほどのトラップを仕掛けたことにより、侵入は無理だとでも軽く考えているようだ。
だけど、そのことに気づいた時に、綺羅はふと犯人の矛盾性に気づく。
あれほどの高度なトラップを仕掛けておきながら、後は何もなし。
まだ、先は続くが、もしこのまま何もない状態が続くようであれば、慎重なところと抜けているところの反対の性質が窺える。
それとも、ただあのトラップに絶対の信頼を置いていたということか。
綺羅は先に進みながらも、妙な違和感に襲われていた。
「ちょっと、待て」
突然、先頭を歩いていた真之に手で静止される綺羅たち。
何かと思い、真之を見ると、真之は真剣な目を先に見える第一物理室へと向けていた。
それに倣うように、綺羅も自然と第一物理室を見た。
その途端―――――
バンッ!
と、とんでもない音が聞こえたかと思うと、第一物理室のドアは吹っ飛んで廊下側の壁へと飛ばされる。
その振動で窓がカタカタと音を立てた。


