雅俊はフッと困ったような顔で笑う。
「じゃあ、連れて行ってくれ。危険は承知の上だ。それに、お前たちだって安全かどうかはわからないんだろう?」
あの驚異的な力を持つ存在。
この前のことだって、初がいなければ、綺羅はどうなっていたかわからない。
綺羅たちでさえも、無事ですむかはわからないのだ。
綺羅は雅俊を見てから、了承の意味を込めて頷いた。
だが―――――
「ちょっと、待てよ。この先は力のある俺たちでさえ未知数の場だ。そんな中になんの力も持たない奴を引き入れるのか? そんなもの、危険な目に合わせに行くようなものだぞ!」
尤もな意見を真之に言われるが、綺羅はもう意見を変えるつもりなんてなかった。
「そうかもしれないな」
「そうかもしれないって………」
真之は言葉を失った。
そこまでわかっていながら、雅俊を連れて行く綺羅の真意が真之にはわからなかった。
「大丈夫よ。慈と柏葉くんは私が守るから」
そんな綺羅をフォローするように真里がにっこりと真之に微笑む。
存在感が今までほとんどなく、眼中にも収めていなかった真里の突然の言葉に真之は眉を顰めた。
「真里は、結界のプロだ。真里の防御力は半端ではない。真里に任せておけば大丈夫さ」
「結界のプロって………。確かに、河原さんは結界能力が高いけど………」
それでも、不安を滲ませる真之に綺羅は力強く「大丈夫さ」と答えた。
その自信がどこからくるのは真之にはさっぱりわからなかった。
「じゃあ、行くか」
「うん! 慈と柏葉くんは絶対に私から離れないでね」
念を押す真里の声に慈と雅俊が頷いた。
その光景は、真之たちから見たら、経験を長く積んでいる者のように見えた。


