「こいつらも一緒に来る必要ってあるのか?」





 真之に問われて、綺羅が答える前に後ろから「なにおう~」と慈の怒りの声が上がる。


 途端に、周りの全員から「し~」と言われ、慈は「うっ…」と黙った。


「それは、俺も思うけど、こいつに何を言ったところで大人しく聞くわけなんてないしな」





 その通りとばかりに、大きく頷く慈を見て綺羅は大きく溜息を吐いた。


 いつもなら、来なくてもいいと言われれば、喜んで辞退する雅俊も、今回は吉備のことがあり、参加していた。


「それにしても………、この情報は信じてもいいんだろうな?」


「当たり前だ。『一陣風霊会』の情報能力を舐めてもらっては困る」


「だけどな………」





 それでも、綺羅には納得がいかなかった。


 まさか、こんなすぐ毎日のように目にしているこの場所に和田あゆみたちがいるとは………。


 だけど、見上げればすぐにでも気づく怪しさ。


 だが、特別な霊気なんてものは感じない。


 学校中はくまなく探したと思っていた。


 だけど、指摘されるまですっぽりと意識の外へとこの校舎の存在を隠されていたような気にさえなってくる。


「私も………、旧校舎の存在なんて忘れていた。でも、探すなら一番にここを探すべきだったよね? どうして、私たち忘れていたんだろう?」





 真里の言葉に真之は間髪いれずに答えた。