「それで? そいつの名前は?」
「内藤明彦(ないとうあきひこ)」
綺羅の問いかけに聞こえてきた声は慈の声ではなかった。
「海堂………」
声がした方を見ると、そこには真之と礼香が立っていた。
「何の用だよ。お前らが何を言ってこようとも、俺はこの事件から手を引く気なんてないからな」
先手を打つように先に言う綺羅。
そんな綺羅を軽く見るだけで、真之は何かを言うこともなかった。
ただ、黙って部屋の中に入ってくると、真之は空いている席に座る。
それに倣うように、礼香も真之の隣に座った。
何も言わずにただ、座るだけの二人に綺羅たち四人は顔を見合わせた。
戸惑いの中に表れた沈黙。その沈黙を破るように真之が言葉を発した。
「内藤明彦。お前たちもそこに行き着いたか」
綺羅は真之に鋭い視線を向ける。


