「綺羅。お前、その鳥って、ずっと連れ歩くつもりか?」





 昼下がり、クーラーのかかったプレハブで真之は綺羅の肩を指差す。


「え? あ、ああ。初は俺を守ってくれるお守りみたいなものだし、何より初が傍を離れないんだ」





 うれしそうに言う綺羅に雅俊は何かとんでもないものでも見たような顔をする。


「お、俺、お前のそんな顔、初めて見たぞ。長い付き合いだけど………」


「そんな顔って、どんな顔のことだよ」





 クールな表情で言う綺羅に雅俊は心の中で「目に見せられないほどに優しそうな笑顔を浮かべた顔だよ」と突っ込んでおいた。


「それにしても………、俺たちって、なんで呼び出されたんだっけ?」





 机に軽く手を突き、椅子をギコギコと揺らしながら雅俊は綺羅に聞く。


「なんか、相楽がとんでもないことが見つかったって大騒ぎしたからだろ?」











 あの魔物に襲われ、初が綺羅の前に現れた日からすでに一週間が経っていた。


 未だに、和田あゆみと光浦吉備の行方はわからないままだった。