綺羅は今更ながら、簡単に受けてしまった自分の愚かさを恨んだ。


だからと言って、今更告白を断ることなんてできない。


一度受けてしまったこと。


それこそ真里にあそこまで言ってしまったからには意地でも別れるわけにはいかない。


(きっと、大丈夫。明日、もう一度先輩と話そう。真里のこと、束縛のこと。そして、分かってもらおう………。俺は決めたんだ。松方先輩と付き合うって、好きになるって………。だから………)


綺羅は自分でもう一度心に決めた。


そして、おもむろに自分がペンダントをかけていた首に手を回す。


(えっ!?)


綺羅はガバッと急に体を起こすと、首周りを触ったり見たりと何かを探しだす。


「嘘だろ………? そんなわけ………」


首周りだけじゃなく、制服のポケットやベッドの上、部屋の隅々まで目を走らす綺羅。机の上、引き出し、部屋の隅々まで探し終わった綺羅は茫然としたままベッドに座りこむ。


「今日、確かに首にかけて………。いつ、落した?」


視線を泳がせながら綺羅は魂を奪われたように呆然としていた。





それと同時に過去の深青の記憶が甦る。