「………確かに…、麻生くんが言っていることは一理あるわね。私たちは自分たちの中での思い込みで一番怪しいのは光浦吉備だと思っていたけど、何もいじめに遭っていた他の連中の中にそういった力を持っているかどうかは調べていなかったわ」
慈は慌てて自分のショルダーバッグの中から手帳を取り出すとすごい勢いでページを捲っていく。
「私たちは海堂くんたちが言った言葉を信じすぎていたのね」
自分のミスのように唇を噛み締める真里。
「別に海堂たちが悪いわけじゃないさ。あいつらが調べたことは何一つ間違いではないと思うし。ただ、あいつらも俺たちと同じってことだ。特殊な能力を持つ可能性の人物がいじめを受けていた。その筋書きに見事に嵌ってしまったんだよ」
「じゃあ、やっぱり犯人は光浦くんじゃない?」
期待を込めて聞いてくる真里に綺羅は神妙な面持ちで首を横に振った。
「それはまだ、断定できない。だけど、海堂たちが言ったことが全てだとは思わずに俺はもう一度、和田あゆみを恨んでいる奴らを徹底的に洗いたいんだ」
真里たち三人は力強く頷いた。
「和田さんにいじめを受けていたと思われる人物のリストアップはできてるわ。後は帰ってから全員の詳しい調査に入る。それは私の仕事ね」
手帳を勢いよく閉じた慈は獲物を見つけたとばかりにうれしそうな顔をする。
「頼むぞ」
こういったことには綺羅は全く役に立たない。
情報を収集するのは慈に任せるしかないのだ。
「じゃあ、まずは光浦たちのクラスに行く………」
「一体、学校に忍び込んでまで何を調べる気なんだよ」


