塀を乗り越え、無事に校内へと侵入した四人は部室棟の前を通り過ぎる。
どこかを迷っている様子もなく向かう綺羅に雅俊は首を傾げた。
「なあ、綺羅。お前、先へと向かっているけど、どこが怪しいとか目星は立っているのか?」
「いや」
即答する綺羅に雅俊はぎょっとする。
「お前、目星もないのに進んでいるわけ?」
「別に目星がないけど、行くところが決まってないとは言ってない」
綺羅の言葉遊びのような遠まわしな言い方に雅俊は眉を寄せる。
「それって………?」
「俺たちが今回学校に忍び込んでいるのは、事件を解決するためじゃない。それはもちろんその先に続くものだけど、まずは、和田あゆみに光浦以外に誰か恨んでいる奴はいないかということを調べることだ」
「でも、それなら私が調べた時に言ったじゃない。和田あゆみは結構恨みをかってるって」
綺羅の言葉に即座に慈は反論する。
「だからだよ。なぜ、海堂たちは光浦が犯人だと睨んだ? それは特別な力を持つ人物になりえるから。俺たちは特殊な力を持つ者はそんなにいないと思っていたから、力を持っているかもしれない光浦が怪しいかもしれないと思い込んだけど、何も光浦以外に特殊な力を持つ人間がいないとは言い切れない………だろ?」
「あ・・・・・」
綺羅の言葉に、真里が驚いたように口を押さえた。


