「ったく……、二人して部室を飛び出したかと思ったら………。そんな考えに行き着いたならさっさと教えてよね」


「まあまあ、慈。今、こうやって教えてくれてるんだから」





 腕を組みながらブツブツと文句を言う慈を真里は宥める。


 だけど、二人の前を歩いていた綺羅は眉間に皺を寄せていた。


「そんなことよりも………、どうしてお前たちがここにいるんだよ」





 足を止め、振り返った綺羅に真里はへへ…と笑ってごまかす。


 その隣では慈が腕を組みふんぞり返りながら冷たく綺羅と雅俊を見据えた。


「あのね。この前に和田あゆみがいじめをしていたっていう情報を手に入れたのは私なのよ。調べるだけ調べさせて、大事なところでは呼ばないのってどうなのよ」


「俺はそんなことを言ってるんじゃない。お前たちはどうして今日、俺たちが学校に忍び込むことを知ってたんだって言ってんだ」


「あらっ、そんなの………」





 慈がじ~っと見つめる先を追っていくと―――――