綺羅の脳裏に真之と礼香の顔が浮かぶ。
「その二人は他には何か言ってませんでしたか?」
吉備の母は綺羅を見ながら、こくりと頷いた。
「吉備は一人の女子生徒が行方不明になっている事件に関わっているかもしれないって!
私、その時に初めてあの子がいじめを受けているということを聞いて………っ!」
そこまで一気に話すと、込み上げてきた涙を隠すために両手で顔を隠す吉備の母。
確かに、そんな話を聞いたら同じことを聞いてくる俺たちに警戒もするし、インターフォンにも出る気にならなかっただろうな。
だけど、吉備の母は出てきてくれて、こうやって話してくれている。
綺羅はこの人のためにも、吉備を助け出さなくてはいけないと思った。
「安心してください。俺たちの考えはその逆です」
「・・・・・え?」
綺羅の言葉に吉備の母は涙を浮かべながらゆっくりと顔を上げる。
「その前に、一つ聞かせてください。吉備くんはいつから帰ってきていないんですか?」


