「雅俊! お前、光浦の携帯番号とかって知ってるか?」
「えっ? あ、ああ」
「今すぐかけろ! あと、自宅の電話番号もわかるならかけてくれ」
「なんだよ、急に」
突然言われても、雅俊にはどういうことなのかわからない。
「説明は後でする! とにかく、かけろ! もしかしたら、お前の言うとおりなのかもしれない」
最後の言葉が何を指しているのかはわからないが、雅俊は綺羅に言われたとおりに吉備の携帯へと電話をかけた。
だけど、どうやら綺羅が予想していたように吉備の携帯には繋がらないようだ。
携帯から耳を離すと、首を横に振った。
「家の電話は?」
「さすがにそこまでは知らないよ。そりゃ、家に帰ればウチのお袋が知っていると思うけど………」
「それなら、すぐにお前のお袋さんに聞いてくれ」
切羽詰った感じの綺羅に雅俊は申し訳なさそうに表情を歪めた。
「それが………。俺のところ、お袋は働きに出てるからさ、今の時間は家にいないんだよ。さすがに仕事中は電話にも出ないだろうし………」
「チッ!」
舌打ちをすると綺羅は雅俊を少し押してから、インターフォンを何回も押し続ける。
それは、さながらしつこいセールスのように。
さすがに雅俊が綺羅の行動を止めに入る。


