「なんか、留守みたいだ」
そんなこと、言われなくてもわかってる。
ハァ~と息を吐くと、綺羅は目の前に建つ光浦家を見上げた。
「なあ、雅俊。光浦の部屋ってどこ? こっちから見える?」
「・・・え? あ、ああ。二階の左手の手前の部屋。ここからだとほら、左に二つ窓があるだろ? あそこが吉備の部屋だよ」
雅俊に説明され、じっと見る綺羅は何かしらの不自然さに眉を寄せる。
「なあ、雅俊。なんか、変じゃないか?」
「何が?」
雅俊も綺羅に倣うように、吉備の部屋を見た。
「あの光浦の部屋だけ、カーテンが閉まってる」
「え?」
「他の部屋は遮光カーテンまでは引かれてないだろ? それなのに………。それに、今はまだカーテンを引くほどの時間じゃないだろ?」
ただでさえ、今は夏。
日が長い今はこの時間でも、まだ充分に外は明るい。
それに、他の部屋は閉まっていないのに、吉備の部屋だけというのが綺羅には気になって仕方がなかった。
まさかっ!


