「ただの空振りになるかもしれない。だけど、何の手がかりもない今。少しの可能性も調べてみる価値はあると思うんだ」
「うん! じゃあ、まずは和田さんの交友関係だね。誰かとトラブってないか、親しい友人関係など………」
「頼めるか?」
「任せといて!」
真里はドンッと自分の胸を思いっきり叩く。
「悪いな。俺が変に聞いたりしたら、妙な噂が流れるかもしれないし………」
「うん、それはわかってる。だけど、綺羅くん。こんな風に勝手に動いて宮城さんたち怒ったりしないかな~?」
「まあ、いい気はしないだろうな。だけど、別にあいつらの捜査の邪魔をするわけでもなく情報収集だけだし、大丈夫だろ。宮城たちには確信を持ってから言えばいい」
下手に言ったりして、余計にややこしくしても悪いしな。
心の中で付け加えながら、綺羅は真里の傍へと近づく。
「あ、あのね、綺羅くん。今回のこの調査。慈に手伝ってもらっちゃだめ?」
「相楽?」
「うん………。実はさ、慈ったら、龍野先輩が宮城さんたちに調査を依頼してて、自分のところには全然情報が入ってこなくて落ち込んじゃって………」
「相楽が………」


