「へ~…、すごいな~…。俺、綺羅と真里ちゃんがそういった力を持ってるだけでも驚いてたのに、宮城さんまで! それに、海堂もだろ? すっげぇ」





 何を意味のわからないことで興奮しているのかわからないが、柏葉は「すごい」を連発する。


「お前は…、少しは黙ってろ!」





 この場の雰囲気を変える柏葉の首根っこを掴み、綺羅は柏葉を椅子に座らせる。


 そして、礼香たちを見た後、綺羅は翔へと視線を向けた。


「きちんと話してください。俺たちには意味がさっぱりわからないんですけど」


「言ったとおりだよ。プロに頼んだって」


「そのことじゃありません。俺が聞きたいのは、前から奇妙な事件が起きていたということです」


「ああ……、そのことか…」





 翔はフッと笑うと、席を立ち窓際へと歩いていった。


 そして、窓から外を見ると口を開いた。


「学園七不思議。聞いたことはないか?」


「学園七不思議………ですか?」





 綺羅は知っているかという意味を込めて、真里を見る。


 真里は首を横に振った。


「そんなことは、初めて聞きましたけど………」





 綺羅の答えを聞き、翔は一つ息を吐く。


「そうか………。それじゃ、それほど噂が流れているというわけではないんだな」





 翔が呟いた後、スッと慈は手を挙げる。


「私は………、聞いたこと…あります」





 みんなの視線が自分に集中したことに、得意そうな笑みを浮かべながら、慈は説くと話始めた。