そこまでしてくれるのなら、もう答えは決まっていた。


「わかりました。この依頼、受けます。ただし………」





 綺羅は慈のほうを向く。


「これが最後だ。相良、いいな?」





 慈は少し考える仕草をしながら、コクリと頷いた。


 それを確認してから綺羅は翔のほうへと向き直る。


「それでは先輩。依頼の話を聞かせてもらいます」





 綺羅のその言葉に、翔はニッと笑う。


「そうこなくちゃ。この依頼はお前にも無関係ではないからな」


「え? それって、どういう………」





 翔の言葉の意味がわからず、綺羅は眉を寄せる。


「依頼内容は和田あゆみ。彼女の失踪についてだ」


「和田…あゆみ………」





 翔が告げた名前を呆然と復唱する綺羅。


 そんな綺羅に追い討ちをかけるように翔は念を押した。


「そう。お前に昨日、告白してきた女だよ。無関係―――ではないだろ?」