悔しいことにクラスの男子が浮き立つほどの美少女だ。おまけに、麻生くんの後ろの席。





 自然と二人が仲良くなるのは目に見えていた。


 そして、焦ってしまった。





 言うつもりなどなかったのに、二人が話している姿を見てあゆみはとうとう事を起こしてしまったのだ。





 もちろん、告白の返事は「ごめん」だった。





 わかりきっていたこと。


 だけど、そうかもしれないと思うのと、目の前で突きつけられるのとではダメージが全然違う。





 そんなに落ち込むようなキャラではないあゆみだが、今回は本当に堪えた。


 それを見てとった友達たちが気を使って、カラオケに行こうと言ってくれたのだがそれも担任に捕まりふいとなってしまった。


「やっぱり、告白するんじゃなかった………」





 あゆみは心の底からそう思い、声に出していた。


「帰ろ………」





 蹲りある程度落ち着いてから、あゆみは「どっこいしょ」とひざに手を置き、体を起こした。


 その時―――











 カタカタカタカタ。











「な、なに!?」





 ビクッと体を震わせ、あゆみはゆっくりと後ろを振り返る。