「どうする?」





 真里に聞かれたところで、何もいい案なんて出てこない。


 学校の建物であるこのプレハブをどのようにするかなど、ただの一生徒である綺羅たちが決められるものではない。


「どうする……かな?」





 一番いい方法はここを取り壊すことが一番いいとは思うが、それは学校の問題で自分たちではどうすることもできない。


 ならば………


「このプレハブってロッカーとかもあるし、昔、部室に使ってたりするのかな?」


「え? あ…、そういえば………」





 綺羅に言われてから真里はドアを開け、外へと確認に行ったが、すぐに戻ってきた。


「ここ、うっすらとだけど天文部って書いてあるよ」


「天文部? そんなもの、ウチの学校にはなかったよな?」


「うん。廃部しちゃったんじゃないかな」


「廃部……か…。廃部ってことは、また作ってもいいんだよな」


「えっ!? まさか、天文部を?」





 驚く真里に綺羅はニッと笑う。


「俺は一応、陸上部にも入ってるからかけもちになるけど、何人かお前集められる?」


「な、何人かって、何人?」





 聞いてきながらも焦っているのがよくわかる。


「そうだな~…、部の発足って最低人数どれぐらいいるんだっけ?」


「え、え~っと…ちょっと待ってね」





 そう言うと、真里はごそごそと鞄を開け探し出す。