「それじゃあね…遊佳」



タンッ



「魅佳…」



「魅佳ちゃん…探さないと…」



「…処方箋の持ち主をな」



「海斗…なんで…魅佳は…あんなふうになっちゃったんだろう…」



「わからない…けど…毎日と変わらない日々が戻ってくるさ」



「そうだと良いけど…」



「魅佳を信じるんだ」



「そうね…」



「遊佳ちゃん…フィリップさんの家分かるかしら」



「いえ…あっでも病院付属なのでもしかしたら…フィリップさんの研究室が有るかもしれません」



「手掛かりがない以上…そこをあたってみるか」







病院内



カツーンッカツーンッ



「静かだな…」



「気味悪い静けさだな」



「怪しいわね…誰もいないなんて」



「…学生達は感染しているのに…」



カツーンッ



「遊佳…聞こえるか?」



「なにが?海斗」



「足音が俺達より多い事を…」



「えっ…」



カツーンッカツーンッ



ピタッ



「…来た!!」



「…襲って来ない?」



「………」



スッ



「来ましたねユカ」



「フィリップさん!!」



「何故か私の方がミカより力の強いのです」



「だからどうした!!」



「待って海斗!!」



「ユカは気付いたようですね」



「どうしたんだ遊佳」



「私より魅佳の方が力は強いのよ…なのに魅佳よりフィリップさんが強い…」



「分かったわ…(やっぱりジョンソンさんの時と酷似している…)」



「カイト…貴方にとっては辛いでしょうね」



「なにがだ……」



「さぁ出て来て下さい」



研究室と思う教室から一人の男子生徒が…



「兄貴…」



「お兄ちゃん!!」



海斗の兄…陸斗だった