「一生会えないんじゃないんだろうか」
思わず吐き捨てるようにつぶやく。
「何やってるの」
声をかけてきたのは理生。梓の親友だ。黒髪を二つに結わえた丸顔の女の子。
「駿君ズバズバ言うよねぇ、びっくり」
「……今度こそ、だと思ったのになぁ」
「なぁに?またあの運命の人探し?」
「……そんなんじゃない」
さようならを告げること。つまり終わりを看取る事。もしかしたらすでに彼はこの世音人ではないかもしれない。そう考えてしまえばすべては終わりになってしまう。
あの時の彼の瞳に映った自分がゆがんで見えたのは見間違いじゃないはずだ。彼は、泣きそうになっていた。
「駿~!」
唐突に明るい声が響く。視線をやると、旬に少女が抱きついていた。巨乳が目立つ、ピンクブラウンの髪の派手な少女。スカートはパンツが見えそうで、リボンも小さい。
「静香」
「静香のために引っ越してきたんのに、あいさつに来ないなんて失礼~てか何?ほかの女の子に目移りしてたんじゃないよね?まさかねまさかね」
「……」
ムスリとした表情で駿は静香を離した。
「許嫁」


