「え?」

急に声が聞こえて声の主をキョロキョロと探す

どこ?

こんな狭い所ならすぐわかるはずなのに…

「どこ?」


声の主は答える気がないらしい

変わりにカサッと動く音がした

よくよく目をこらして見ると華恋からみた桜の木の裏側にもたれ掛かっている少しだけはみ出した真っ白なワイシャツが見えた


「あっ、えと…」

まさか人がいるとは思わなくてしどろもどろになっているあたしはきっと自分が思ってる以上に驚いていたのだろう


「ここ俺の場所。昼寝してんだからうるさくするなら帰ってくれない?」

先ほどと同じ抑揚のない少し低めの冷めた言い方だった

なぜかその言い方に少しイラッとしたが多分気のせいということにしておこう

そんなふうに言われてもあたしはちゃっかりこの場所を気に入ってしまっていた

それにここは学校だ
みんなの場所じゃないか
なんで見知らぬ人物にあたしはこんなことを言われているのだろう?

なんか理不尽な気がしてむかついてきた


「確かにあんたが先にいたかもだけどここは学校なんだからみんなの場所よ!あんたにそんなこと言われる筋合いはないっ!」


…応答なし


むかつく…

あたしはずかずかと桜の木に近づきむかつく奴にちょっと聞いてんのっー…
って怒鳴りかけた