あれから結局いくところのなかったあたしはトイレにずっと閉じこもっていた


授業の終わりをつげるチャイムが聞こえるとなんとか心を落ち着かせて教室に戻った


「あっ華恋〜!どこにいたの?」


どこに…そのことを考えると思い出したくないのに先ほどのことを思い出してしまう

「べっ別に適当にぶらぶらしてただけだよっ」

ちょっと焦ってしまい、いつもの冷静さを取り戻せない
きっとあたしの顔は真っ赤に違いないだろう


「ほんと〜?華恋なんか顔も赤いし、何かあった?」

「なっ何もない!ほんとに何もないから!」


葵はそっか〜と言いながら頬にえくぼをつくってる

葵のこうゆう所が好きだなと感じる
無理に聞いてきたりしない

絶妙なバランスで相槌をうってくれる


でも…
さすがに…葵にも言えない
男の子の寝込みを襲っただなんて…