“不思議の国”のお話なんて

いくつものお伽話と変わらないものだった。



ただ、主人公の名前が

“自分と同じ”

それだけの、興味で聞いただけだった。




ごめんね、おばあちゃん


聞かなければ良かった、って


思ってるの…。




ごめんね、ママ、パパ


“アリス”なんて名前をもらったこと、



ちょっと、恨んでるの…。






どこから悔やめば

いいの?


どこから哀しめば

いいの…?





…好きだから


永遠に“嫌い”なままでいさせてほしい。



それ以上を望むには

全てがずっと、愛し過ぎるから…




わたしの忘れられない“もの”は、

黒く染めてしまうには、大切すぎるから…―。