桃と黄と白と

鮮やかで柔らかな色の世界。


白兎に連れられ

霧の小道を抜けたわたしは、今はまた別の場所を歩いている。



「キレイ……でも、ここはなんだかふわふわするわ。」

「特別な場所なのさ、ここはね。」



一面に広がる、

色とりどりの花だけの草原

幻想的で、だけど本能が告げてくる。



この場所は危ういと。





「ねぇ、アリス?」

「……なぁ、に…?」



道のない草原

花を踏み付けながら進むわたしに、

頭がぼーっとしてきたわたしに、白兎は話しかけてきた。


強く繋がれた手は、相変わらずそのままに。