大人な君へ

千佳と"二人"でいる
時間はとても幸せ
だった……………



サークルが終わったあと
俺は千佳を呼び出した



やっぱりこの気持ちを
このままにしては
おけなかったからだ



「突然だけど…
俺…千佳なしじゃ無理だ」



千佳は俺の隣で
黙ってきいている



「過去を話すよ………」



体が震える……
嫌われるかもしれない恐怖心
逃げられるかもしれない不安



いろんなものが
かさなり急に口が
重くなった



「大丈夫だよ。
ゆっくりでいいから」



そっと千佳は俺の手にふれ
やさしく微笑んだ



そのやさしさのおかげで
重かった口が開いた



「ありがとう…………」



俺はすべてを話した



由岐との出会い



由岐を助けられなかったこと



ひどい目にあったこと



襲われたこと………




千佳はただ黙って
うなずきながら
聞いてくれた