大人な君へ

「なんで俺なの?」



震える手をおさえながら
俺は質問した



「ゆうすけくんかっこいいし
克美の友達だし…」



鼻をすすりながら
秋は淡々と話す



「じゃぁたつやだっているじゃん」



またたつやの名前を
だしてしまった…



俺は困るといつもこうだ…



「たつやくんに束縛は
似合わないもの」



俺だって嫌だ…………



「お願い」



秋はまた泣きそうになる



まったくめんどくさい…
なんで俺は毎回こうなん
そんなにちゃらい男か!?



いやいやちがうだろ…



もうわけがわからない



「ゆうすけいますか…?」



教室のドア付近で
俺を呼ぶ声がした



「誰?あの子……」



秋が席を立とうとする
俺をいかせまいとする



「関係ねぇだろ…
………どけよ」



低いトーンで軽く
睨みつけると秋は
幽霊でもみたかのような
顔をして他の男の
ところへとさっていった



教室の入り口にいそぐ