大人な君へ

「ビックリした?」



にこりと笑い顔を
のぞきこんできた



姉貴だ……………



「姉貴………」



全然変わっていなかった



「ごめんね
からかいすぎちゃったね」



頭をかきながら
俺に謝ってきた
どうやらさっきのは
嘘だったらしい



俺が千佳と話している
のをみて女恐怖症が
解消できたのかと
思ってしまったらしい



「ちがかったみたいだね」



姉貴は大荷物をかかえ
歩き始めた



「……………今までなにして…」



今までなにをしていたのか
きこうとしたとき
話しをさえぎるように



「あのさ!お願いがあるの」



突然振られ戸惑った



「な…なんだよ」



「しばらくたつやくん家に
泊めてもらえないか
たのんでもらえる?」



家に帰るつもじゃなかったのか…



姉貴の心理はまったくわからない



「なんでたつやんとこなんだよ」



「たつやくんに用があるの」



簡単に返されてしまった
姉貴は俺から携帯を
とると電話をするよう
俺に促した