大人な君へ

｢……………千佳｣



千佳の歩く少し後ろを
ゆっくりと歩きながら
千佳の名前を呼ぶ



｢ん??｣



千佳は名前に反応して
やさしく振り向く



｢……今は話すことできないけど
いつか…きっとはなすよ｣



千佳の目をみながら
俺は過去を話すことを
決意した



｢ありがとう。いつでも
まってるから｣



千佳はやさしく微笑んだ



｢ありがとう｣



いつになるかわからないが
絶対にはなすよ



千佳にはわかってもらいたい
やっと………
信じたい………
信じてもらいたい……



そんな大切な人ができたんだ



｢あっごめんね｣



千佳はなにかを思い出した
かのように謝ってきた



｢熱あるのにひきとめて｣



千佳自身必死だったようだ



｢全然大丈夫だよ
ありがとうな………
嬉しかった｣



心の底からうれしかった



千佳はなにも言わずに
クスｯと笑い俺に
近寄ってきた