大人な君へ

「ごめん……
少しこのままでいて」



俺は千佳の細い体を
ぎゅっと抱きしめた



「…………いいよ」



千佳はやさしく俺の
背中に手をのばした



ポンポン



背中を軽く叩いてくれる



嬉しかった……
弱い自分を千佳は
受け入れてくれたんだ



「…………ありがとう」



しばらくの間
抱きしめていた



まだ千佳の細い体
の感覚が残っている



「大丈夫?」



少し間を置いて千佳が
顔を覗きこんできた



「ごめんな……」



困り顔で謝ると千佳は
俺のほっぺをつまみ



「そんな顔しないのッ」



とゆってきた



「いったでしょ?私は
ゆうすけの力になりたいって」



にこりと微笑み
千佳はゆっくりと
歩きはじめた



そんな千佳の後ろ姿が
恋しくて恋しくて
たまらなかった……