大人な君へ

「そんなないから平気だ」



千佳には心配かけたくない



「そんな強がりダメだよ」



眉間にシワをよせ
おこったような顔を
する千佳



怒られているにも
関わらず俺の心は
ドキドキでいっぱい
だった…………



「なんかあったの??」



俺の相づちをまつまもなく
千佳は話しかけてくる



「隠さないで?」



千佳はぴたッと足を
止めて俺の腕を
引っ張った



その動作に俺は
不謹慎ながら
抱きつきたくなった



ダメだ俺………



「そんな親しい人間じゃ
ないのにずうずうしいこと
いってごめんなさい」



千佳は俺の腕を
引っ張りながら
うつむき気味にはなす



「でも…ゆうすけの力に
なりたいの……」



千佳はホントに目力がある
そんなに訴えられたら
俺……………



無意識のうちに千佳を
抱きしめていた



「…………ゆうすけ?」



少し焦り気味に
千佳は俺の名前を呼ぶ