大人な君へ

ゆっくりとふりかえると
千佳が走って俺のあとを
ついてきていた



「はあ…ごめんね
大丈夫??」



息をきらしながら
俺のもとに近寄ってきた



「うん。千佳こそ…
大丈夫か?」



息を切らす千佳の肩に
そっと自然に手がのびる



「うん。大丈夫!!」



元気いっぱいに笑顔をみせる



「…………少しはなせないかな?」



千佳は笑顔のあとに
真剣な顔へとかわり
俺にきいてきた



「…………ああ」



千佳にいわれたんじゃ
断れないよ



「ありがとう
歩きながらでいいから」



にこりと笑うと千佳は
少しずつ歩き始めた



「熱あったらしいね」



千佳は歩きながら俺に
話しかける



千佳の横顔をみながら
俺は話しをきいた