大人な君へ

姉貴が家をでたのは
俺が家をとびだした
少しあとらしい



生真面目な姉貴が
家を出るなんて
信じられなかった



そのころの俺は
由岐と出会った
ばかりだった



――――――――



中1の冬―――
もうすぐ中2に
あがろうとする時期



俺は親とケンカして
学校の裏庭で
一人ぼーっとしていた



「ねっ君―ゆうすけくんだよね?」



どこからともなく俺の
名前を呼ぶやつがいた



「そうだけど…おまえ誰?」



むしゃくしゃしていた
俺は少し睨みながら
由岐をみた



そのときの由岐は
タバコ片手に
上から俺をみていた



「そっかぁ☆
私由岐☆よろしくね」



のんきに俺に近づいてきた



「うざい……」



俺はそれが勘にさわって
由岐を軽く突き飛ばした



「いったぁ〜」



由岐はそんな俺を横目で
みながら



「ふざけんなよ」



あんなきゃしゃな由岐
からこんな暴言が
でるとは思わず
退いた



「なーんて☆隣いい??」