手分けをして、
九地梨と私が、未礼の行きそうな場所を探しまわり、
桧周が、三津鉢の関わりがある自宅等、三津鉢の昨夜からの行動範囲を調べに行き、
釈屋久が、大学にいる三津鉢本人を見張っていたと言うのだ。
九地梨がなだめるように私の肩に手をおいた。
「未礼に接触したり、例えばどこかに監禁したり…っていう動きがあった情報は今のところないよ」
三津鉢本人は社交の場では、得に問題がある男には見えないといい、
事業主の両親も評判は良いらしい。
だが、三津鉢には、表と裏の顔があるという。
金に物をいわせて、夜の街で悪そうな連中を引き連れてイキがってる危ない奴らしいのだ。
三津鉢個人についてちゃんと調べもせず、
相手の家柄重視で決められた見合いだったらしい。
…なぜだ。
私は、ほんとうに、未礼のことを知らずにいたのだ。
知ろうともしていなかったのかもしれない。
私を怒鳴りつけた桧周の顔と
携帯電話の着信に対する未礼の微細な反応。
自らに対する憤りと後悔がないまぜになった頭の中に、
二人の顔が迫るように往来していた。
桧周とも合流し、
新たな繁華街へと足を踏み入れた。
「ぜってー、でしゃばんなよ」
桧周は、私が同行することに不服そうで、
きつく睨みつけられはしたが、私も引かずについていく。
未礼の無事をこの目で確認せねば。
壁にはポスターやら広告のような貼紙が雑然と貼られた、細い地下への階段を降りる。
大音量のBGMと若者たちの品のない雑音入り乱れた薄暗くタバコ臭い店内。
ライトの乱射が不愉快だ。
クラブなどとかいう店らしい。
おおよそ私とは一生縁のなさそうな場でも、本日はもう麻痺してしまっているようだ。
店内奥まったところ、ソファー席のあるあたりで桧周たちは、足をとめた。
九地梨と私が、未礼の行きそうな場所を探しまわり、
桧周が、三津鉢の関わりがある自宅等、三津鉢の昨夜からの行動範囲を調べに行き、
釈屋久が、大学にいる三津鉢本人を見張っていたと言うのだ。
九地梨がなだめるように私の肩に手をおいた。
「未礼に接触したり、例えばどこかに監禁したり…っていう動きがあった情報は今のところないよ」
三津鉢本人は社交の場では、得に問題がある男には見えないといい、
事業主の両親も評判は良いらしい。
だが、三津鉢には、表と裏の顔があるという。
金に物をいわせて、夜の街で悪そうな連中を引き連れてイキがってる危ない奴らしいのだ。
三津鉢個人についてちゃんと調べもせず、
相手の家柄重視で決められた見合いだったらしい。
…なぜだ。
私は、ほんとうに、未礼のことを知らずにいたのだ。
知ろうともしていなかったのかもしれない。
私を怒鳴りつけた桧周の顔と
携帯電話の着信に対する未礼の微細な反応。
自らに対する憤りと後悔がないまぜになった頭の中に、
二人の顔が迫るように往来していた。
桧周とも合流し、
新たな繁華街へと足を踏み入れた。
「ぜってー、でしゃばんなよ」
桧周は、私が同行することに不服そうで、
きつく睨みつけられはしたが、私も引かずについていく。
未礼の無事をこの目で確認せねば。
壁にはポスターやら広告のような貼紙が雑然と貼られた、細い地下への階段を降りる。
大音量のBGMと若者たちの品のない雑音入り乱れた薄暗くタバコ臭い店内。
ライトの乱射が不愉快だ。
クラブなどとかいう店らしい。
おおよそ私とは一生縁のなさそうな場でも、本日はもう麻痺してしまっているようだ。
店内奥まったところ、ソファー席のあるあたりで桧周たちは、足をとめた。

