九地梨と手分けして、ゲームセンター内を捜索した。
一通り見回り入口で落ち合う。
「未礼はゲームをするのが好きなのか?」
顔は未礼を探しあちこちにむけつつ、言葉を投げかけた。
同じように周囲を見渡しながら九地梨も答える。
「いや、未礼は見てるほうが多いかな。
一番ゲームに夢中になるのはユキヤなんだけどね。主に格闘系。
未礼がするならUFOキャッチャー。
…ほら、あのスイーツがとれるやつ」
視線で私に教えた。
「でもセンスがないのかな、上手く取れなくてすぐ飽きる。
それから…」
言いながら九地梨はゲームセンターを出た。
私も後続した。
ゲームセンターのむかいにある、甘ったるい匂いの漂う店の前で九地梨は足をとめた。
「ここのクレープ屋。
未礼のお気に入りで、ここ来たときはいっつも食べてる」
食べ物か…未礼らしい。
「ここのショッピングモールに未礼の好きなファッションブランドがあるんだ。
そこ行ってみよう」
思い立ったように足早にエスカレーターにむかう。
立ち止まっている暇などない。
服の店にも未礼はおらず、次にDVDレンタル店に行った。
店内で、携帯が振動していることに気づいた。
琴湖だ。
「啓さま?!やっと出てくださった!
何度鳴らしたとお思い?
携帯電話の意味がありませんわ!」
通話ボタンを押し、耳に当てたとたん、まくし立てるような琴湖の声が聞こえた。
「すまない、気づかなかった」
ほんとうに、今気づいたのだ。
「まぁ、いいです。
用件だけお伝えしますわね。
防犯カメラ等から未礼さんは昨夜10時頃タクシーで家を出られたようですわ。
夜勤の守衛には、啓さまには伝言してあるから大丈夫と言い残して出られていたことがわかりました。
ですから啓さまの家のものたちも得に騒いだりしなかったのでしょうね。
…啓さま?聞いてます?」
「あ、ああ。聞いている」
「タクシーの運転手の話では、すぐにおりたそうです。
えーっとほら、国道沿いの、何て名前でしたっけ、あのコンビニエンスストア…」
一通り見回り入口で落ち合う。
「未礼はゲームをするのが好きなのか?」
顔は未礼を探しあちこちにむけつつ、言葉を投げかけた。
同じように周囲を見渡しながら九地梨も答える。
「いや、未礼は見てるほうが多いかな。
一番ゲームに夢中になるのはユキヤなんだけどね。主に格闘系。
未礼がするならUFOキャッチャー。
…ほら、あのスイーツがとれるやつ」
視線で私に教えた。
「でもセンスがないのかな、上手く取れなくてすぐ飽きる。
それから…」
言いながら九地梨はゲームセンターを出た。
私も後続した。
ゲームセンターのむかいにある、甘ったるい匂いの漂う店の前で九地梨は足をとめた。
「ここのクレープ屋。
未礼のお気に入りで、ここ来たときはいっつも食べてる」
食べ物か…未礼らしい。
「ここのショッピングモールに未礼の好きなファッションブランドがあるんだ。
そこ行ってみよう」
思い立ったように足早にエスカレーターにむかう。
立ち止まっている暇などない。
服の店にも未礼はおらず、次にDVDレンタル店に行った。
店内で、携帯が振動していることに気づいた。
琴湖だ。
「啓さま?!やっと出てくださった!
何度鳴らしたとお思い?
携帯電話の意味がありませんわ!」
通話ボタンを押し、耳に当てたとたん、まくし立てるような琴湖の声が聞こえた。
「すまない、気づかなかった」
ほんとうに、今気づいたのだ。
「まぁ、いいです。
用件だけお伝えしますわね。
防犯カメラ等から未礼さんは昨夜10時頃タクシーで家を出られたようですわ。
夜勤の守衛には、啓さまには伝言してあるから大丈夫と言い残して出られていたことがわかりました。
ですから啓さまの家のものたちも得に騒いだりしなかったのでしょうね。
…啓さま?聞いてます?」
「あ、ああ。聞いている」
「タクシーの運転手の話では、すぐにおりたそうです。
えーっとほら、国道沿いの、何て名前でしたっけ、あのコンビニエンスストア…」

